転倒転落対策チーム「まくれん隊」
転倒転落0(ゼロ)を目指して
当院では在宅復帰に向けて日常生活の自立度をあげるようにリハビリをすすめています。しかし患者さんの活動性が上がるにつれて転倒転落を100%回避するのは困難です。
そこで平成24年7月より作業療法部門課長を中心に、看護部(看護師・介護士)、リハビリテーション技術部(PT・OT・ST)それぞれからメンバーを選出し、多職種からなる転倒転落対策チーム「まくれん隊」を結成し、さまざまな活動を行っています。メンバーは活動に対して意識を高めるために「まくれん隊」の腕章を付けています。主な活動としまして、転倒・転落が発生したら速やかに多職種で集まり「まくれん隊カンファレンス」を開催し、対策を検討します。
転倒を減らす為には、一人一人がどのような生活をされるのか、しっかり個別性を評価し、危険を回避できるように配慮しなくてはなりません。転倒転落0(ゼロ)を目指し、頑張っています。
転倒転落予防に向けた患者さんへの啓発活動と職員教育
まくれん隊の活動は多岐にわたります。患者・家族への転倒転落に対する注意喚起のために居室へのポスター掲示やリーフレットの配布を行います。
またスタッフ要因による転倒転落を予防するために、2ヶ月に1回KYT(危険予知トレーニング)研修を開催しています。また定期的に講師招聘による研修などを行いスキルアップをめざしています。
転倒発生の推移
平成24年7月のまくれん隊結成以来、多職種での情報共有、転倒発生状況や原因の分析、全患者のリスク評価、各種研修を行うことで転倒転落発生数の低減に貢献しています。
まくれん隊による先駆的な取り組み
まくれん隊では、Tobii proグラス2アイトラッカーという視線計測装置を用いて視線変化を把握する研究を、広島大学と共同で行っています。移動動作の介助を行う際、職種別、さらには熟練スタッフと新人スタッフとで注意を向ける視点にどんな特徴があるのかを知ることで、スタッフの介助の質向上に役立つことが考えられます。このような研究を進めることで、患者さんの転倒転落予防に役立つのではないかと期待をしています。