ご挨拶
平成29年4月1日付けで、井後雅之現名誉院長の後任として、病院長に就任致しました。
錦海リハビリテーション病院開設1年後の平成19年4月に私が勤務してから丁度10年の節目になる今年、この大役を仰せつかることになりました。
回復期リハビリテーション病棟が診療報酬制度で新設されてから17年が経過し、全国で約8万床、当院が開設された平成18年と比較して約2倍にまで増加しました。この間、地域完結型医療が推進され、急性期病院はより急性期らしく、回復期病院は、より回復期らしく、生活期はかかりつけ医に、という形でそれぞれが自らの得意分野に特化し、より質の高い医療を提供できる体制づくりが促進されてきました。地域包括ケアシステムの構築、地域医療構想に基づく病院の機能分化推進もこの流れの中にあります。錦海リハビリテーション病院は、鳥取県西部地区にある6つの回復期リハビリテーション病棟の一つとして、特に脳血管障害を中心に回復期リハビリテーション医療とその後の生活期リハビリテーション(通所リハビリテーションと訪問リハビリテーション)を地域に提供してきました。
国内でも先頭を切って少子高齢化の進行する鳥取県において、医療機関は人々がその地域で暮らしていく上での重要なインフラであり、地域が存続し続けるためには、医療がきちんと機能を発揮しなければなりません。この10年間でこの地域の高齢化はさらに進行し、当院にリハビリテーション目的で転院してこられる患者さんも、それを支える家族の状況も変化しており、リハビリテーションの重要性はさらに高まってきています。
国の財政状況の悪化も含め、医療を取り巻く環境はより一層厳しさを増していますが、「より良い機能回復」、「より良い生活機能の獲得」、「より良い在宅復帰、社会復帰」であり、住み慣れた場所でその人らしい生活を送ることができるようにするという当院が地域で果たすべき役割は不変です。
この米子の地に錦海リハビリテーション病院があって良かった、と感じていただけるような回復期リハビリテーションと生活期リハビリテーションをこれからも提供し続けていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。